小さいのに、心にぽっかりと穴が空いている子どもがいます。


今や片親なんて珍しくない時代。
この仕事をしていて、その事実を改めて感じます。


『ねぇ、せんせー』


今年6歳になる女の子が私のｴﾌﾟﾛﾝの裾をぎゅっと握ってきました。


『せんせー、ぎゅ～てして』


いつも元気で活発的なのに、どこか淋しそうで。
たまに思い詰めたような、大人みたいな顔をするんです。


その子の家庭はｼﾝｸﾞﾙﾏｻﾞｰで、多忙な母親との時間はほぼ無いに等しい。
祖母に面倒を見てもらっているが、躾が厳しいようで、十分に甘えることができないようです。


そう、だから『せんせーが一番だぁいすき』なんて言われると、とても切ない。


『私もだぁいすき！』
そう言って、たくさん抱きしめてあげることしかできないけれど。


今、この一瞬だけでも。
ぽっかりと空いた穴を少しでも埋めることができたらなぁと思うのです。